アメリカの公立小学校で日本語を学ぶバイリンガルを育てる学校について

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アメリカの公立学校のプログラムに日本語を使って授業をする学校があることを知っていますか。

 

その名も 双方向イマージョンプログラム

…ってなんぞや!?とつい聞き返したくなるような名前ですね。

 

外国語の授業で日本語が選択できる学校もありますがそうでは無いですよ。

授業内容を日本語と英語で理解して他の教科も両方の言語を使って勉強しようという方針の学校です。

 

バイリンガルに1歩…いや、2歩ぐらい近づけそうな環境ですね。

 

双方向イマージョンプログラムにおすすめの人は?

バイリンガルを目指す学校なんてレベルが高く入学することが難しい学校では?と思ってしまいますね。

しかし!!

公立の小学校なので、入学するときには英語が話せなくても日本語が話せなくても大丈夫です。

入学後もELLのクラス等サポートもバッチリあります!

 

学力面ではないとすると、どんな人におすすめの学校と思いますか?

  

双方向イマージョンプログラムをおすすめの方

・日本語と英語のバイリンガルを目指したい

・駐在中に英語を習得してほしい学校に子供が消極的で現地の学校は不安

・自分自身の英語に自信がないので事務手続き、懇談などを日本語でしたい

・国際結婚で日常会話が英語がちなのでもっと日本語に触れさせたい

・学校を通して日本の文化も学んでほしい

・駐在中にアメリカの文化にも触れてほしい

・なるべくお金をかけずに日本語、または英語を学ばせたい

・日本人、またはアメリカ人のお友達を作ってほしい

 

どの子にも当てはまりそう…。

 

では、実際にどんなご家庭の子どもたちが通っているのでしょう?

 

双方向イマージョンプログラムに通っている生徒

・両親ともにアメリカ人の子ども

・国際結婚している方の子ども

・両親に日本人だけどアメリカで生まれ育った子ども

・駐在員として数年アメリカに在住する予定の子ども

 

これまたどの子にも当てはまりそう…。笑

というものも公立小学校なので希望して受かれば誰でも通うことができます。

 

アメリカの公立小学校でこんなに日本人の生徒が集まるの?

なんだかんだアメリカ人ばかりの学校ではないの?

と少し疑問に思いますね。

 

大都市の日本人人口もそこそこ多いエリアに学校があることも関係していますが

このプログラムに通っている生徒の基本的な割合は以下の通りです。

第一言語を英語とした生徒……………………3分の1
第一言語を日本語とした生徒…………………3分の1
片親が日本語を第一言語とした家庭の生徒…3分の1

クラスは英語を母国語とした生徒と英語を母国語とした生徒を同じ割合です。

国籍は関係なく、あくまで何語を主に話すかが基準です。

 

イマージョンプログラムに通っている生徒達は本当にいろいろなバックグランドを持った家庭の方が多くてとても魅力的な学校のひとつですね。

 

双方向イマージョンプログラム(Two-way immersion)とは?

双方向イマージョンプログラム(デュアル ランゲージ イマージョンのひとつです)は1960年代カナダより始まりました。

現在では世界各地の学校で導入している外国語学習の1つでバイリンガル教育を目的としています。

 

双方向イマージョンプログラムでは、低学年の頃より母国語と目標言語で学習する環境に浸ることで各教科の内容を目標言語でも理解できることを目指しています。

 

この環境を作るためにクラス編成も独特で双方向イマージョンプログラムでは

第一言語に母国語を話す生徒と目標言語を話す生徒がほぼ半々の割合でクラスが構成されています。

 

アメリカの第二言語であるスペイン語と英語のイマージョンプログラム導入している学校は数多くありますが、目標言語を日本語にしたイマージョンプログラムはまだ少数です。

アメリカの人口の割合を見てもこれは納得ですね。

 

ですが、小学校~高校まで通して日英の双方向イマージョンプログラムを導入しているエリアもあります。

 

授業内容は州の定めるカリキュラムに沿って学習しています。

双方向イマージョンプログラムを導入した学校の特徴

双方向イマージョンプログラムを導入している学校のとても魅力的なな特徴を箇条書きで説明します。

 

  • カリキュラムは英語と外国語で学習しますが、外国語、英語のクラスは理解度のレベルに分けてグループ学習をしています。
  • 各学年それぞれに英語・外国語のネイティブスピーカーの教師がいます。
  • 生徒は1日の半日を英語の先生と過ごし、残りの半日を日本語の先生と過ごしたりとバランスよく学校生活を送っています。(低学年のうちは、外国語の授業時間が長い学校もあります。例:キンダー 日90%英10%→3年生 日70%英30%)
  • PTA、地域の親の会などのボランティア活動も盛んです。
  • 他の現地校には無い日本を主体にしたイベント、クラブ活動があります。

 

そしてさらに素敵な特徴がもうひとつ!

双方向イマージョンプログラムを導入している学校は州の学力テストで平均よりも点数が高いことが多いです。

双方向イマージョンプログラムのメリット・デメリット

一般的なメリット・デメリットを箇条書きにしました。

バックグラウンドや家庭環境が違うことで学校に対する印象も人それぞれです。

色々な方の意見を聞く機会があればさらに情報収集してみてください。

メリット

  • 日本人、日本文化に興味がある方が多い
  • 学校のクラブ活動で習字や和太鼓など日本の文化に触れることができる
  • 学校によってはランチプログラムで日本食やパンをオーダーできる
  • 日系の生徒も多く日本人家庭と家族ぐるみで付き合える機会がある
  • 日本人の事務員もがいて手続きがとても安心
  • 担任の先生が日本文化に理解がありより深い内容の相談ができる
  • 駐在員の家庭も多く日本の流行りも自然に入ってくる
  • 転入や転出が多いので子供達も学校に打ち解けやすい。
  • 補習校の高額な授業料と土曜日の貴重な時間を家族で過ごせる
  • 子どもたちにとってバックグラウンドが似たお友達ができることは精神的にプラスになる。

デメリット

  • 2か国語を同時に学んでいるため親は学力の不安が付きまとう
  • 子供によっては快適な言語ばかりに頼ってしまう傾向がありる
  • 駐在員の家庭が多く学年が進むにつれ生徒数が少なくなっていく
  • 現地の学校に通っていない場合は近所の友達が少なくなりがち
  • 子供同士が遊ぶ時の送り迎えが多くなる
  • バス通学、もしくは通学で時間ロスが現地校より多い
  • 2週間以上休学して帰国する場合は手続きしないと退学になる可能性がある
  • 親同士の交流も多いため日本人コミュニティーが苦手な方は辛い環境になる可能性あり

入学手続きと申し込む際の気をつけたいポイント

注;:公立学校のイマージョンプログラムの場合は、その学校に入学できるエリア内に居住していないと基本的に入学願書を出すことが出来ません。

場所によって条件が違いますので申し込む際には必ず学校に確認することをお勧めします。

アメリカで何かの手続きをするときは念には念を。これ基本です。

一般的な申し込みの流れ

1.見学ツアーに参加(大半の学校は自由参加。学校や授業の様子が観れます)

2.学校説明会(オープンハウス)に参加

3.願書を出す(親のID,住所が証明できるもの2通、パスポートもしくは出生証明書、予防接種歴など必要です。詳しくは各学校までお問い合わせを。)

4.応募者が多い場合は抽選になります。(イメージ的にはほぼ毎年抽選ですね)

 

新学期は8月からですが、うかうかしていると波に乗り遅れてしまいます。

早めに日程の確認をすべし!

 

申し込む際の気をつけたいポイント

初めてで不安な方のために申し込む際に気をつけたい最低限のポイントをまとめました。

双方向イマージョンプログラムを申し込む際の参考にしてください。

 

ポイント

・入学したい学校のオープンハウスには参加しよう。学校の雰囲気、特徴、細かな説明等をきくことで申し込む時の不安が解消されるきっかけになります。

・入学願書は必ず期限を守る。過ぎると抽選に参加できずそのまま待機リストになる可能性大!

・学区内に通っている生徒や兄弟が在籍している生徒が優先になります。学区外から申し込みできる学校もありますが、基本的に優先順位が下がりることを理解しましょう。

・万が一、抽選に受からなくても焦らずに待つ。言語問わずイマージョンプログラム応募している家庭は基本2~3校申し込んでいます。学校が始まる前にキャンセルにより当選通知が届くこともあります。

・兄弟枠があり兄弟がすでに通っている場合は優先的に入学できます。しかし、引越し等により編入になる場合はテストがあり、英語・外国語ともにその学年レベルの成績が必要となります。

・学校の方針は毎年よく変わるので、何か疑問がある場合は自分で直接学校へ電話して確認すようにしてください。けして先輩ママに聞いた話を全て鵜呑みにしないくださいね。

 

双方向イマージョンプリグラムはアメリカ人にとっても人気なプログラムの1つです。

そのため特に日本語に興味や日本文化に関りもないけれど、学校選びの1つの選択肢を増やすために申し込む家庭も多い印象です。

双方向イマージョンプログラムに当選した後に気が変わる人もいるので夏休みに入ってからでも当選の連絡がある可能性もあります。

 

倍率に関しては、兄弟枠で半分近く埋まってしまうような年度もあったりその年によって違うのでほぼ運ですね。

 

あらかじめ必要になってくるものを用意して、不備の無いようにスムーズに申し込みができるといいですね。

まとめ

アメリカに住みながら公立の小学校で日本語を学ぐことができるのは大きな利点ですね。

 

双方向イマージョンプログラムを導入している学校に通うことで

同じようなバックグラウンドのお友達に出会えることや

アメリカに住み日本とアメリカのお互いの文化を尊重しあえる環境は

子どもにとって確実に貴重な体験に繋がっていくことでしょう。 

 

そして、この体験は勉強をしているだけでは手に入れることができないものも数多くあります。

 

ただし、双方向イマージョンプログラムを導入している学校に通うだけで

バイリンガルになることは難しいです。

あくまで、バイリンガル教育の1つの手段と捉えることが無難だと思います。

バイリンガルになるには、親子ともに努力と忍耐が必要なこともお忘れないようにしましょう。

 

バイリンガルになる道はけして甘くないですが、

楽しい素敵な思い出のある道を子供たちが歩めすといいですね。

 

 

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